長い歴史と豊かな自然を持つ日本には素晴らしい観光地が数多く存在します。新型コロナウイルスの影響で減少した訪日外国人(インバウンド)も現在では回復し、各地の観光地は多くの観光客でにぎわうようになりました。人が多く集まる場所はビジネスチャンスが大きいとも言え、そういった場所での看板を通じた情報発信の効果は高いです。この記事では、観光地向けの看板デザインについて、ポイントをご紹介します。

 

◇インバウンドを意識した看板デザイン

観光地において、看板は訪れる人々の目を引き、商品やサービスに関心を持ってもらう重要な機会を作ります。近年増加する海外からの観光客が多い場所では、通常と同じ看板デザインでは内容が上手く伝わらない可能性があります。使用言語やアイコンに工夫を凝らすことで、より多くの人々に情報を伝えることができるでしょう。ここでは、インバウンドが多い観光地に適した看板デザインのポイントをご紹介します。

 

多言語対応のデザイン

最もオーソドックスなインバウンド対策として、看板に複数の言語を使用することが挙げられます。英語はもちろんのこと、訪れる観光客の国籍に応じて、中国語、韓国語、スペイン語なども取り入れると良いでしょう。右も左も分からない外国人観光客に安心感を与え、親しみやすさを感じさせます。

 

視覚的なアイコンの活用

言語の壁を越えて情報を伝えるために、ピクトグラムをはじめとした視覚的なアイコンを活用することが効果的です。トイレ、レストラン、観光スポットなどのアイコンは言葉が通じなくても直感的に理解できるので便利です。凝ったイラストではなく、なるべくシンプルでわかりやすいアイコンを使用することがポイントです。

カラフルで目立つデザイン

観光地では、多くの情報が溢れているため、見てもらうには看板が目立つことが重要です。カラフルで鮮やかなデザインを採用することで、遠くからでも目に留まりやすくなります。ただし、観光地のテーマや雰囲気を壊さないように注意しましょう。周辺に合わせた色使いをすることで、統一感を持たせることができます。

 

場所に適した素材選び

観光地の看板は、素材で雰囲気を出すことも重要です。古い町並みでは木製の看板の方がマッチします。観光地の景観を保つために、メンテナンスの簡単さや耐久性も大切です。

 

スマートフォンと連携した看板

スマートフォンは今では世界中の人が所有しているため、情報発信にも役立ちます。QRコードを使ってスマートフォンで情報を取得できるようにしたり、AR技術を活用して観光地の紹介をしたりすることで、訪問者に新しい体験を提供することができます。観光地の魅力をさらに引き出すことができるでしょう。

 

 

◇地域の文化や歴史を反映したデザイン

地域の文化や歴史を反映したデザイン

地域の文化や歴史を反映したデザインは、その土地の魅力を訪問者に伝えてくれます。観光地においては、地域の伝説や物語、自然環境、祭りなどをデザインに取り入れることで、街の雰囲気を盛り上げ、観光客にとって忘れられない体験を提供することができます。以下に、地域の文化や歴史を反映したデザインのポイントをご紹介します。

 

地元で有名な伝統工芸やアートを取り入れる

地域の伝統工芸やアートをデザインに取り入れることで、その土地ならではの雰囲気を演出することができます。日本では特色のある陶器や織物が多く、これらの生産が盛んな地域では取り入れない手はありません。訪問者に地域の歴史と伝統、文化を感じてもらうことができます。

 

歴史的建造物や風景をモチーフにする

歴史的建造物や景勝地の写真やイラストをプリントすることは、観光地での代表的なアピール手法です。京都などではそのような看板や掲示物を見かける頻度が高いのではないでしょうか。古い城や寺院、伝統的な街並みなどをモチーフにしたデザインは、訪問者に地域の歴史を感じさせるとともに、視覚的にもカッコよく魅力的です。

 

地元の伝説や物語を活用する

日本各地にはユニークな伝説や物語が数えきれないほど存在します。これらをデザインに取り入れることで、他の観光地とは一線を画したユニークな情報発信が可能になります。例えば、織田信長や徳川家康といった誰もが知る地元の英雄、伝承される妖怪、その地が舞台となった神話などをテーマにしたデザインは、訪問者にとって観光がより楽しいものとなります。看板にも興味を持ってもらいやすいでしょう。

 

地元の自然環境を反映する

地域の自然環境を反映させることも一つの手です。豪雪地帯では雪だるまやかまくらのようなイラストを使用するのも良いですし、気温などに特徴があれば「日本一暑い町!」とアピールするのも面白いです。地元の山や川、海などの自然景観をモチーフにしたデザインは、訪問者に地域の自然環境に関心を持ってもらう機会を作ります。固有の動植物のイラストも有効な手段です。

 

地元のイベントや祭りをテーマにする

イベントや祭りをデザインに取り入れることで、その土地の活気や楽しさを伝えることができます。「青森ねぶた祭り」「阿波踊り」などはとても有名ですよね。観光客はそういった地元の祭りやイベントを目当てにしていることも多いので、興味を引くにはうってつけの材料と言えるでしょう。

 

 

◇写真映えを意識したインスタグラムスポット看板

写真映えを意識したインスタグラムスポット看板

観光地や商業施設において、写真映えするインスタグラムスポットの設置事例は増加傾向にあります。テレビや新聞などで取り上げられるのと同じくらい、現在ではSNSで拡散されることの効果は大きいので、「インスタ映えスポット」の価値が高まっているのです。ここでは、写真映えを意識したインスタグラムスポット看板のメリットと効果を高めるポイントについてご紹介します。

 

インスタグラムスポット看板のメリット

新規訪問者の増加

写真映えするスポットは、訪問者がSNSに投稿することで自然と宣伝効果が生まれます。特に観光地では、記念に写真を撮りたいという需要も高いので、訪問者に喜んでもらえることが多いです。顔出し看板などにPRしたい商品などのイラストを入れ込むことでアピールできます。

ブランド認知度の向上

インスタグラムなどのSNSでシェアされることで、「あのお店は面白いことをしている」「とてもおしゃれで写真が撮りたくなる」とブランドや施設の認知度が向上します。他では撮影できないような魅力的なスポットは、多くの人々の目に留まりやすくなります。

訪問者の満足度向上

写真映えするスポットは、訪問者に楽しい体験を提供し、観光の満足度を高めることができます。写真は素晴らしい思い出として繰り返し見返され、「また行きたい」と再訪を促す効果もあります。また、観光地全体としての魅力度向上にも寄与します。

 

効果を高めるポイント

役に立つ情報や案内を添える

フォトスポットに加え、観光地の場所をマップで紹介する案内板を近くに設けたり、地域の歴史の豆知識を掲示したりすることで、フォトスポット・案内板を単体で設置するよりも互いに見てもらいやすくなるという相乗効果が生まれます。

ユニークさの追求

SNSに情報が溢れる昨今、誰でも思いつく顔出しパネルでは発信としてインパクトが弱いかもしれません。地域の特色やテーマを徹底的に追求し、そこでしか体験できない特別な時間の提供を目指しましょう。動くオブジェクトや触れると反応する仕掛けなどがあると、より一層楽しさが増し、動画での拡散も期待できます。

照明の工夫

夜もにぎわう観光地では、夜間でも写真映えするように、照明の工夫をすることが重要です。LEDライトやネオンライトを使用することで、夜景やライトアップされた建造物と明るさを合わせ、綺麗に撮影できるよう明度を調整しましょう。

ハッシュタグの提案

インスタグラムでの拡散にハッシュタグは必要不可欠です。看板に観光地全体で統一したハッシュタグや店舗独自の拡散用ハッシュタグを記載することで、訪問者がSNSに投稿する際に一体感を持たせることができます。まちまちにタグを付けられるよりもSNS上での拡散効果が高まります。

 

 

◇まとめ

まとめ
日々多くの人でにぎわう観光地。インバウンドも増加し、ビジネスの成功をつかむためのチャンスで溢れています。看板を通じてより多くの人に店舗の商品やサービスを発信できるよう、多言語対応やユニークなフォトスポットの設置などを検討しましょう。地域の良さを反映した魅力的な看板デザインは、その観光地の価値を高め、住民からも愛されるものになるはずです。