あなたのビジネスの存在や、商品の魅力をアピールする上で看板は大きな力になってくれます。人々を効果的に引き付けるデザインに仕上げるコツとして、デザインの色彩を意識することが重要です。この記事では、看板のデザインにおいて人々からの印象を大きく左右する『色』に焦点を当て、カラーリングによる効果やトレンドについてご紹介します。
◇看板デザインにおける色彩が与える心理的影響
看板デザインにおいて、色の選択は重要です。色彩心理学では、色は人間の感情や行動に影響を与えることが知られています。色がもたらす心理的効用には「分かりやすくするための視覚的効果」と「魅力を向上させる感情的効果」あります。どのような色を選ぶかは、看板の目的やターゲット層に応じて慎重に検討する必要があります。
色の具体的な効果とその活用方法
色によって与える印象や連想させるイメージは異なります。以下に色別の特徴や向いている設置場所の一例を紹介します。
赤色
活発さや吸い込まれる印象を与える事ができる色で、セールや特売時の看板に最適です。また、食欲を刺激するため、定食屋や居酒屋などの飲食店で使用されることが多いです。
青色
信頼や静寂といったイメージを与える色で、例えば信頼感が大切な銀行や医療機関の看板に適しています。清潔感や安息感を与える効果もあるため、リラクゼーション施設やスパにも向いています。
黄色
注意を引く色で、注意喚起の看板に使用されることが多いです。一方で、楽しく快活な印象を持つ色でもあり、活発さを売りにしたい飲食店や子供向けの看板にも適しています。
緑色
自然や平和を連想させることができる色で、ナチュラル感を売りにしたい店舗や商品の看板に適しています。
黒色
暗さや冷酷感を覚えさせる色である一方、高級感や洗練された印象を与えることもできる色です。高級ブランドやレストランの看板に使用されることがあります。単色では目立たないことも多いですが、他の色と上手く組み合わせることで、視認性を高めることができます。
色の組み合わせとバランス
目立たせたいからといって派手な色を組み合わせれば良いという訳ではなく、適切な色の組み合わせが重要です。例えば、補色関係に近い対照的な色を組み合わせることで、インパクトを強めることができます。赤と緑、青とオレンジなどの組み合わせは、看板をより目立たせる効果があります。また、類似の色相やトーンを使うことで、統一感を生み出すことも可能です。ブランドイメージを考えながら、上手に色を組み合わせて、変化と統一感のバランスが取れた看板デザインを目指しましょう。
◇業種別に見る効果的な看板カラーの選び方
前述の通り、色にはそれぞれもたらすイメージがあり、効果的な看板の色は、業種によっても異なります。ここでは業種別の効果的な看板カラーの選び方を紹介します。
飲食店
飲食店の看板には、食欲を刺激する暖色系の色が効果的です。特に赤やオレンジは、活気のあるイメージを持たせ、食欲を増進させる効果があり、ファーストフード店やファミリーレストランに使われることが多いです。また、緑色は新鮮さや自然感を連想させるため、野菜をメインとした料理店や、健康志向の飲食店に向いています。
美容・健康関連
美容院やフィットネスなどの美容・健康関連の施設には、爽やかで落ち着いた印象を与える寒色系の色が適しています。緑や青は、清潔感やリラックス効果があるため、利用客に安心感を与えることができます。また、紫はラグジュアリーな印象を与えるため、高級スパやエステサロンに適しています。
医療・福祉
医療機関や福祉施設の看板には、利用者に信頼感や清潔感を感じさせる色を使うと良いでしょう。医療機関で使用されることが多い青や白は、知性や清潔感を象徴し、安心感を与えます。また、緑は癒し効果があるため、ホスピスやリハビリ施設に適しています。
◇ターゲット層別に効果的な色使いのポイント
ここまで業種によって適した色は異なるという話をしましたが、同じ業種でもターゲット層によって好まれる色が違うことは認識しておく必要があります。以下に年齢層別の効果的な色使いをご紹介します。
子供向け
子供向けの看板には、明るく楽しい色が効果的です。黄色やオレンジ、ピンクなどの暖色系の色は子供たちの興味を引きやすく、親しみやすさを感じさせます。また、カラフルなデザインは、視覚的に楽しい印象を与え、子供たちに喜んでもらえます。
若者向け
流行に敏感な若者向けの看板には、トレンド感やスタイリッシュさを感じさせる色が効果的です。例えば、黒や白、グレーなどのモノトーンカラーは、モダンで洗練されたおしゃれな印象を与えます。ネオンカラーやメタリックカラーをアクセントとして使用すると、かっこいいデザインに仕上がるのでお勧めです。
ファミリー向け
ファミリー向けの看板には、安心感や親しみやすさを感じさせる色が良いとされます。青や緑などの寒色系の色は、落ち着きや信頼感を与える効果があります。そこに暖色系の色を組み合わせることで、温かみや親しみやすさを加えると良いでしょう。
高齢者向け
視覚の衰えが始まる高齢者向けの看板には、できるだけ視認性が高く、落ち着いた色が効果的です。赤や黄色などの明るい色は、視認性が高く、遠くからでも見やすいです。また、青や緑などの寒色系の色は、落ち着きや安心感を与えるため、高齢者にとっては親しみやすい印象を受けるでしょう。
◇最新トレンド色を活用したデザイン事例
若者らに向けた看板ではトレンド色を取り入れることも効果的です。最新のトレンド色はデザインに新鮮さやおしゃれさを付加してくれます。ここでは近年のデザイン業界で注目されている色をご紹介します。これがすべてではありませんが、参考にしてみてください。
ネオミント
未来的でクリーンな印象を与えるこの色は、テクノロジーやヘルスケア関連のデザインに多く使われています。ウェブサイトのデザインとしても近年多く使用されています。
キャスケード
深い青緑色で、自然や環境をテーマにしたデザインに最適です。SDGsの重要性が認識される昨今では、エコフレンドリーな商品デザインに使用されることが増えています。
サンセットオレンジ
暖かくエネルギッシュなため、ファッションやインテリアデザインで人気です。活気をもたらしてくれるとして、リビングルームやオフィススペースでの需要が高まっています。
ラベンダーグレー
落ち着いた雰囲気を持ち、高級感のある印象を与えます。ブランドコンセプトカラーとして大人なイメージを与えたい企業に採用される傾向があります。
これらの色を使ったデザイン事例としては、以下のようなものがあります。
◇まとめ
色は人間の視覚に訴えかけ、さまざまな心理的効果をもたらします。看板デザインを作成する際には、何となくで色を決めてしまわずに、それぞれの色の持つ特性を理解しましょう。店舗や企業のビジネス形態や業種、ターゲットとする層によっても適したカラーは変わってくるので、複数の観点から総合的に判断するようにしましょう。また、トレンドカラーは常に変化していくので、この記事の内容を参考にしつつ、継続して情報収集を行う必要があります。『色』の力を味方につけられれば、ビジネスの成功に大きく近づきます。色彩を工夫して効果的な看板を目指して下さい。