エステサロンにとって看板は、お客様から「行ってみたい」と関心を引き出す最初の媒体です。施術のクオリティやサロンの雰囲気を一目で伝え、感性に直接響かせるためには、ただ目立つだけでは不十分です。この記事では、プロが使うデザインのポイントや情報要素を紹介し、集客力を高めるコツを解説します。未来のお客様が「あの看板が忘れられなくて…」と言い出すような秘訣を、見ていきましょう。
▽エステサロンの看板に盛り込むべき情報
エステサロンの看板は、集客の要となる重要なツールです。道行く人の目を留め、興味を引き、「入ってみたい」と思わせるデザインと情報が必要です。この記事では、看板に盛り込むべき基本情報からデザインのコツまで、集客効果を高めるポイントを解説します。
絶対に外せない!看板の基本情報5選
① 店舗名(ブランド名)
看板には必須の要素ですね。読みやすく印象的なフォントで大きく表示しましょう。ネオンサインや立体看板で目立たせると効果的です。ロゴマークがある場合はフォントとの統一感を持たせましょう。
②業種(エステサロンであることが分かる情報)
どんな店か分かるように「フェイシャルエステ」「ボディケア」など具体的なサービス名を添えるようにしましょう。24時間営業や完全個室など他店との差別化ポイントがあれば強調しておくと効果が高まります。
③ 一押しのメニューと特徴
「小顔コース」や「痩身トリートメント」など、人気のコースがあればピックアップしましょう。「医師による監修」「オーガニックな素材」など信頼性の高いキーワードを入れると信頼性が向上します。
④ アクセス情報
店先以外の看板の場合は、顧客がたどり着けるように最寄り駅などのランドマークを記載しておきましょう。駐車場の有無を入れるとドライバーには親切です。
⑤ 連絡先
問い合わせの回答次第で利用を判断する方もいます。電話番号は必ず記載しましょう。近年ではQRコードでHPや予約サイトへ誘導するのも良い方法です。
差がつく!お客様の心をつかむ「追加情報」
- 資格・実績のアピール
「国家資格保有」「〇年連続人気No.1」などの実績は信頼性を高め、入店判断に大きく影響します。メディア掲載歴がある場合は、掲載時の写真や記事内容をすると信ぴょう性が上がるでしょう。
- キャンペーン情報
「お得」という言葉には誰もが弱いものです。「初回は50%OFF」「体験コース3,000円から」などの特典情報は関心を引きやすいです。期間限定のキャンペーンを強調し、緊急性を訴えるのも良いでしょう。
デザインで失敗しないための3つのルール
➀ 色彩心理学を活用する
ピンク系は女性らしさや癒し、ゴールド/シルバーは高級感、ブルー系は清潔感や信頼性というように、色彩は人間の印象に強く影響します。ブランドコンセプトに合わせた色選びが大切です。
➁ 文字の見やすさを最優先に
お洒落さを優先して読めなくなってしまっては本末転倒です。遠くからでも読めるサイズ(最低15cm以上の文字サイズ)、背景色と文字色のコントラストを強めることを意識しましょう。
➂ 照明・素材選びの重要性
照明と看板素材も失敗を避け、他店との差を付けられるポイントです。視認性が低下する夜間もLED照明があれば一層目立つようになります。また、耐久性のある素材(アクリル・アルミ複合板など)を使用することで、看板の劣化を防ぎましょう。
▽集客を意識したデザインテクニック
エステサロンの看板は、ただ単に設置するだけでは集客効果は薄いです。集客力を高めるには通行人が「なんだか気になる」「入ってみたい」と感じる工夫が必要です。ここでは、デザインの専門家が実践する、看板で顧客の心を掴むテクニックを徹底解説します。
色と形で顧客を「一目惚れ」させる方法
➀ ターゲット層に合わせた色選びの法則
店舗を魅力的に感じてもらうためには、ターゲット層に刺さるデザインを意識することがポイントです。年代ごとに好まれる色使いが異なるので、下記のトレンドを参考にしてみて下さい。赤は「興奮色」のためリラクゼーション系サロンには不向きです。
・30~40代女性:高級感×安心感 → ベージュ×ゴールド
・20代女性:トレンド感×ポップさ → パステルピンク×ホワイト
・男性客も狙う場合:中立性を保つ → ネイビー×シルバー
➁ 「視線の動き」を計算したレイアウト
人間が情報を読み取るとき、視線をZ型に動かすと内容が理解しやすいことが知られています。そのため、Z読みを意識(左上→右上→左下→右下)すると良いでしょう。最も伝えたい情報(キャンペーンや店名)を視線の停留点に配置します。
通行客の足を止める「キャッチコピー」の作成
➀ 具体的な数字・驚きの情報で興味を刺激
「高品質なエステを提供」などありきたりな内容でなく、「たった1回で2cmも小顔に※(※施術効果には個人差があります)」のように具体的な数字を含むようにすると関心を引きやすいです。インパクトのある情報を意識しましょう。
➁ 感情に訴える「5大キーワード」
キャッチコピー作成の際に、どのような内容にするか迷う方もいるでしょう。以下のようなキーワードは感情を動かしやすいので、参考にしてみて下さい。
解放感:「すべての疲れを洗い流す」
特別感:「あなただけの美のレシピ」
即効性:「即日で効果を実感」
安心感:「10年以上のベテランの施術」
秘密性:「当店限定の裏メニュー」
【SNS時代必須】写真映えする看板の作り方
現代の集客力向上の戦略においてSNSとの連携は欠かせません。エステの利用者が写真と共に店舗での体験をSNSで投稿・拡散してくれれば、集客につながります。看板前で撮影したくなる「フォトスポット」を併設したり、看板の一部をモノトーンにし、人物を目立たせたりするアイデアが考えられます。店舗でもアカウントを作成するとともに、ハッシュタグ(#○○エステ)を看板に記載しておきましょう。
▽地域密着型の看板デザインのポイント
エステサロンが地域に根ざして長く継続していくためには、「この地域のためのサロン」というメッセージを看板から発信することが不可欠です。地域密着型の看板の本質は、デザインの美しさではなく「私たちはこの街を大切にしています」という想いを伝えることにあります。ここでは、地域の文化や住民の生活に寄り添い、リピーターを増やす看板デザインの具体策を紹介します。
【基本戦略】地域密着型看板に必要な3要素
① 地域名やシンボルによる親近感
地域密着型のアピールとして、店名に「〇〇(地域名)エステ」を入れる(例:桜台ビューティハウス)というアイデアがあります。また地元のシンボル(市の花やマスコットキャラ、特産品)のイラストなどをデザインに取り入れるのも親近感を高めるのに役立ちます。
② 生活に密着した内容
ターゲット層に合わせ、「子育て中のママを応援」「帰り道に気軽に入店」など利用者目線で文章を作成するのも有効です。地域のイベント情報を掲示するスペースを設けると、生活との密着が強まり、より身近な店舗として親しまれるでしょう。
③ 継続性
設置して終わりではなく、季節ごとにデザインを微調整(春は桜、夏は海の絵柄など)することで、継続したコミュニケーションが生まれます。看板の隅に「開店〇年目」と運営年数を表示すと、徐々に信頼感を醸成していく効果が期待できます。
【実践テクニック】地域の特徴を活かすデザイン
➀ 方言・ローカルフレーズの活用例
方言やローカルフレーズは地元愛を伝えるのに有効です。関西では「まいど!〇〇やで」、北海道なら「寒いから、温まっていきませんか?」、沖縄であれば「ちむどんどん(心躍る)美体験」のようにユニークなフレーズが作成可能です。
➁ 地元素材を使った「顔の見える看板」
地域で知られた工房で看板を製作したり、地元の木材を使用したりすると、住民から「顔の見えるサービス」として親しまれる効果が期待できます。廃校の木材や古民家の瓦をリメイクしたサステナブルデザインも地元愛を刺激する良いアイデアです。
➂ 地域マップを掲載した看板
看板の一部に観光地やおすすめの店舗など「周辺施設案内図」を組み込むと、住民らからの好感度は上がります。「当店から徒歩○分圏内」と表記し、気軽に立ち寄れる地域の飲食店・公園を併記してみましょう。
【住民参加型】コミュニティとの関係を強める仕掛け
➀ 「住民投票デザイン」のススメ
住民が投票できるデザインは、地域の話題にもなり、住民の愛着も湧きやすいです。看板のデザイン案を2パターン掲示し、投票受付をしてみましょう。採用案には「地域の皆様の投票で決定!」などとクレジット表記すると、地域との一体感が生まれます。
➁ 看板を交流拠点に変えるアイデア
看板の下部にフリーペーパーラックを設置し、住民が集まって情報交換できるようにしても面白いです。天気予報やゴミ出しカレンダーを表示するデジタルパネルの併設といった交流促進のアイデアもあります。
➂ 地域の「顔」を起用
利用者の中に地元で人気の美容師や飲食店経営者がいれば、等身大パネルとともにエステサロンの感想を掲載するのも一つのアイデアです。知り合いの声は信頼感が高まるものです。地域のママさんインフルエンサーとコラボしたキャッチコピーなど、身近な人たちとの関係を活かしましょう。
▽まとめ
エステサロンの看板は、ビジネスにさまざまな恩恵をもたらします。集客力を高め、地域からも愛される店舗にしていくためには、デザインに取り入れる内容を工夫する必要があります。外せない基本情報、そこから一歩進んだデザインテクニック、地域密着性のアピールという記事内で紹介した要素を含んだ看板は、他のエステサロンとの差別化を図る助けになるはずです。ぜひ参考にしてみて下さい。