企業の外観デザインは、単なる建物の見た目以上の意味を持ちます。企業のイメージを視覚的に表現し、顧客に対して個性や想いを伝えることができる重要な要素です。外観が企業の第一印象となることも多く、初めてサービスを使ってもらったり、来店してもらったりするきっかけにもなります。この記事では、外観デザインを通して企業のブランドイメージを構築するポイントについて紹介します。

 

◇企業のコンセプトと外観デザインの一致

外観デザインは、ブランディングツールとして活用することが重要です。コンセプトと外観デザインが一致していることで、ブランドイメージをより強固なものとすることができます。ここでは、デザインの一致のメリットやポイントについて紹介します。

 

デザインの一致によるメリット

ブランド認知度の向上

一貫したデザインは、顧客に対して与える印象を強め、ブランドの認知度を高めます。例えば、特定の色の組み合わせを必ず使用することで、顧客はその色を見ただけでブランドを連想することができるようになります。統一感が無いとなかなか顧客の印象に残りません。

信頼性の向上

外観デザインが企業のコンセプトと一致していると、顧客はその企業がぶれない理念を持っていると感じ、信頼性の向上に繋がります。

 

コンセプトとデザインを一致させるためのポイント

コンセプトカラーの統一

外壁のカラーは、ブランドのコンセプトカラーと統一しましょう。コンセプトカラーが外壁全面に使うには派手すぎるようであれば、無彩色や落ち着いた色の中に一部だけでも取り入れることで、企業のイメージ作りに繋がります。

適切な素材の選択

店舗外観の素材にはブランドイメージに合ったものを選びましょう。例えば外壁や装飾に木材を使うことで、温かみやナチュラル感を出すことができます。

 

 

◇ロゴと看板の調和を図る方法

特定のブランドを思い浮かべる時に、ロゴが連想される場合もあるのではないでしょうか。ロゴを覚えてもらうことで、ロゴ入りの商品を見かけるたびに店舗のことを思い返してもらうことができます。店舗外観にもロゴをデザインし、イメージを強化しましょう。デザインする場所としては、看板が代表的です。ここではロゴと看板の調和を図るために抑えるべきポイントを紹介します。

 

ロゴと看板のデザインの一貫性

色の統一

ロゴと看板のカラースキームを統一することで、ブランドの一貫性を持たせることができます。例えば、ロゴに使われている主要な色を看板にも取り入れたり、同系色の色で揃えたりして統一感を持たせましょう。

フォントの統一

ロゴに使用しているフォントを看板にも使用することで、統一感が生まれます。しかし、ロゴの文字がおしゃれさを優先した読みにくい字体であったり、看板で情報を伝えるには不向きな字体だったりする場合は、ロゴと看板の字体を組み合わせてみて違和感のない物を選びましょう。

 

読みやすさと視認性

視認性

ロゴと看板の背景色を同じにしてしまうと統一感は出ますが、ロゴ自体が見えにくくなってしまいます。ロゴの部分は背景色を変えたり、無彩色や金属色で縁取りしたりすることでロゴを認識しやすくなります。

サイズの調整

看板にデザインするロゴは大きすぎても小さすぎても認識しにくくなります。設置する看板のサイズや、実際に顧客が見る距離を踏まえてサイズを調整しましょう。

 

デザインのバランス

余白の活用

ロゴを含めて看板には様々な情報を載せたい場合もあると思います。しかし、看板に目一杯の情報を詰め込んでしまうと視認性が悪くなってしまいます。載せる情報を厳選し、ロゴと文字の間や看板の縁に適度な余白を設けることで、すっきりとしたデザインになります。

配置のバランス

看板の中のロゴの配置も重要です。看板の中で一番伝えたい情報が何かを考えてロゴや文章を配置しましょう。ロゴを一番目立たせたいのであれば、顧客が見た時に一番に目が行く場所にロゴをデザインすることで、アピールできます。

 

 

◇ビジュアルアイデンティティの統一

ビジュアルアイデンティティとは、ロゴ、カラースキーム、フォントなどのビジュアル面全般のアイデンティティのことを指し、外観デザインも含まれます。ビジュアルアイデンティティの統一は、ブランドの知名度と信頼性を高めるために欠かせない要素です。ここではビジュアルアイデンティティを構築するためのポイントを紹介します。

 

イメージの明確化

まずは企業の理念や目標、ビジネスのコンセプトや伝えたい思いなどを明確化しましょう。それに合わせてビジュアルアイデンティティを構築していきます。

 

市場調査と分析

業界やターゲット層などの情報を集め、どのようなビジュアルが人気あるか、イメージが良いかを分析します。ビジネスの内容に合わなかったり、ターゲット層に受けないデザインにしてしまったりすると、魅力が上手く伝わらず集客力は低下してしまう可能性もあります。

 

カラースキームやフォントの選定

カラースキーム

カラースキームは、ブランドの個性を視覚的に伝えるための重要な要素です。色は見た人に心理的効果を与えるので、適切な色を選ぶことでブランドのイメージを強化することができます。例えば、青は信頼性や清潔さを、緑は癒しや優しさを伝える効果があります。

フォント

フォントには様々な物があり、使用するフォントによって顧客に与えるイメージは変わります。例えば親しみやすいイメージを伝えたければ、可愛いポップなフォントを使用したり、おしゃれさを打ち出したい場合はシンプルでスタイリッシュなフォントを選んだりすると効果的です。

 

実例の活用

知名度のあるビジュアルアイデンティティの実例を参考にする方法もあります。例えば、スターバックスやユニクロなどの企業は、統一したビジュアルアイデンティティを持つことで、ブランドの認知度と信頼性を高めています。

 

継続的な見直しと改善

ビジュアルアイデンティティは一度作成したら終わりではありません。思ったような集客が無く売り上げが伸び悩んだ際や、もっと大きなビジネスに発展させていきたい場合は見直しと改善を行うことが重要です。市場の変化や顧客層を踏まえて再設定を行いましょう。

 

 

◇環境との調和を考慮した外観設計

外観デザインを行う際は、周囲の環境との調和を考慮する必要があります。周辺の雰囲気から浮いてしまい悪目立ちしてしまっては、企業のイメージを損ね、顧客に敬遠されてしまう可能性もあります。ここでは周辺環境との調和を図る際のポイントを紹介します。

 

色彩の調和

外観デザインにコンセプトカラーを反映させることは大切ですが、周辺店舗が落ち着いた色調だったり、閑静な住宅街の中に店舗があったりする場合、派手過ぎる色を全面に押し出してしまうと悪目立ちしてしまいます。壁面は無難な色を選択し、看板や装飾にコンセプトカラーを取り入れるなどして対応しましょう。

 

大きさや高さ

建物や看板の高さや大きさを周囲の建物や自然環境に合わせることで、調和の取れた外観にすることができます。大きすぎると違和感を与えてしまったり、小さすぎても存在感が薄れてしまったりする可能性があります。

 

植栽と緑化

建物周辺に植栽を施すことで、自然環境との一体感を高めることができます。スペースがない場合は屋上や壁面緑化を取り入れる方法もあります。

 

地域文化との調和

地域特有の伝統や文化がある場合、デザインに取り入れることで、地域住民に親しんでもらいやすくなります。地域活性化にも繋がるかもしれません。

 

 

◇まとめ

店舗の外観デザインはブランドイメージを伝えるための重要な要素です。あなたのビジネスのコンセプトをしっかり反映させることで、建物自体が宣伝となり集客に繋がります。しっかりとイメージ付けるために統一感を忘れずにデザインしましょう。伝えたい思いやイメージをデザインに落とし込むことが難しい場合は、専門業者への依頼も検討してみて下さいね。