ビジネスの内容や店舗の存在を顧客にアピールする方法の一つに看板設置があります。看板には様々な種類があり、特に店舗入り口に設置する看板は「店の顔」とも言える大事な存在です。しかし、いざ看板を作ろうと思っても何から始めたらいいか分からず、お困りの方もいるのではないでしょうか。この記事では看板作成のプロセスについて紹介します。
◇アイデアからデザインまで
看板製作の第一歩は、どのような看板にしたいか考えることから始まります。看板の目的やターゲット層を明確にし、伝えたいメッセージを考えましょう。以下のステップを参考にしてみて下さい。
1.コンセプトの確立
店のコンセプトをまとめます。例えばカラー、フォントなどの基本的なデザイン要素を決定します。目立つ色を取り入れれば、通行人の目には留まりますが、商品やサービスの内容が歪曲して伝わってしまう可能性もあるので、コンセプトにあったものにしましょう。
2.リサーチ
看板設置場所付近の住民の年齢層や競合他社の看板を調査します。看板を見る層が、学生と社会人では効果的なアプローチ方法が変わってきます。周囲の看板に埋もれてしまわないように、デザインやメッセージの要素を検討しましょう。
3.内容の検討
看板に載せる情報量は最低限にした方が内容は伝わりやすいです。誰に、何を伝えたいのかを明確にしましょう。デザインをする前に、看板に使用する色、図や写真、メッセージを書き出して一度まとめてみて下さい。
4.デザインの作成
前項の内容を元にデザインを作成しましょう。自身でのデザインが難しい場合は、看板製作業者への依頼も可能です。看板でアピールしたい内容や希望を正確に伝えましょう。
◇素材選びとその特徴
看板のデザインが完成したら、次に重要なのは素材選びです。素材は看板の耐久性や見た目に大きく影響します。
設置環境に適した素材選び
看板の設置場所や規模に応じて、適切な素材は変わってきます。屋外に設置する看板の場合、雨風や紫外線の影響を受けやすいため耐久性が求められます。屋内の看板であれば、気候の影響は受けにくいため耐久性はそこまで重要ではありません。アクリルなどの軽量で加工や手入れをしやすい素材が選ばれることが多いです。
素材の特徴
アルミニウム: 錆びにくく、軽く柔らかい素材です。屋外看板に適しています。
ステンレス: アルミニウム同様に錆びにくく、丈夫です。重厚感や高級感があります。
アクリル: 透明度が高い素材で、落下してもガラスと違って割れにくいです。加工しやすいのも特徴です。透明度を活かすことが出来るライトボックス看板にも適しています。
PVC: PVC(ポリ塩化ビニル)は軽量でコストパフォーマンスに優れています。屋内看板や短期間のみ使用する看板に適しています。
サンプルの確認
選んだ素材のサンプルを取り寄せや現物確認が可能であれば見ておきましょう。写真で見る場合と実際のイメージが異なる場合もあるので、質感や色味を確認し、イメージに合っているか確かめます。
価格と納期の確認
必要な素材が決まったら、見積もりを依頼します。予算内に収まるように気を付けましょう。看板を設置したい時期から逆算して、納期に問題がないかも確認して下さい。
◇コストと予算の管理
看板の作成や設置にはコストが掛かります。凝ったデザインの看板や、サイズが大きな物、設置場所が特殊なものは高額になる場合もあります。コストをかけすぎて、事業に影響が出ないようにしっかり管理しましょう。
予算の設定
看板に割ける予算を計上します。無理のない範囲で設定しましょう。
コストの見積もり
看板の素材、製作を依頼した場合の費用、設置にかかる費用をそれぞれ見積もり依頼しましょう。見積もりには、どこまで明記されているかしっかり確認し、抜け漏れなどがあるようであれば発注前に解決しましょう。
コスト削減の工夫
見積もり依頼し、予算に収まらない場合は、削減できる項目を検討しましょう。素材を耐久性に問題のない範囲で安価なものにしたり、デザインをシンプルにしたりするなどの方法があります。
予備費の設定
追加費用や予期せぬトラブルに備えて、予備費を設定しておきましょう。何かあった時にも安心です。
ランニングコストの確認
看板は一度設置してしまえば長期間効果を発揮することができますが、全くコストが掛からない訳ではありません。定期的なメンテナンスや塗り替えなどの費用が発生することも考慮しましょう。また、電気を使う看板であれば電気代もかかります。
◇自分で看板を製作
サイズが大きかったり専門的な技術が求められたりする場合は難しいですが、小さいシンプルな看板であれば自作することも可能です。自分で作ることでコストを抑えつつ、思い入れのある看板にすることが出来ます。以下に看板作成プロセスの一例を紹介します。
1.デザインの作成
デザインソフトを使用して、看板デザインを作成します。あえて手作り感を出したい場合は、手書きの下書きでも問題ないでしょう。
2.必要な材料と道具の準備
大本となる看板の素材や、塗料などを準備します。素材をカットする必要がある場合は、素材ごとに適したカッティング用の工具を用意しましょう。
3.素材のカット
作成した看板デザインに基づいて素材をカットします。慣れていない方は怪我に注意して下さい。
4.デザインの転写
いきなり看板に文字や絵を書くと失敗してしまう可能性があるため、作成したデザインを用意した素材に転写しましょう。実物大に印刷したデザイン案をステンシルすることで、正確に転写することができます。
5.塗装と仕上げ
塗料を使用して塗装します。複数の色を使う場合は、マスキングテープを使って色分けしましょう。乾いたら、クリアコートを施して仕上げます。
6.看板の設置
完成した看板を取り付けます。屋外の場合は、転倒や落下してしまわないようにしっかりと固定しましょう。
◇専門業者への依頼
大掛かりな看板や、複雑なデザインの看板を設置する際は看板製作の専門業者に依頼しましょう。プロの知識や技術を持って、効率的に質の高い看板を作ってもらうことが可能です。デザインから一貫して委託することも可能なので、アイデアが思いつかなかったり時間が取れなかったりする場合も専門業者を活用することをおすすめします。以下のようなプロセスで進めましょう。
1.業者の選定
インターネットや口コミを利用して、依頼内容と合致する看板製作業者を探します。過去の実績やレビューを確認し、信頼できる業者か確認しましょう。
2.見積もりの依頼
業者に希望内容を伝え見積もりを依頼しましょう。相見積もりを行うことで、コストを抑えられる可能性もあります。
3.打ち合わせ
業者と打ち合わせを行い、希望する内容や素材、納期について話し合いましょう。デザインのイメージがしっかり固まっていなくても、一緒に考えてくれる場合が多いです。
4.デザインの確認
依頼内容を元に業者が作成したデザイン案を確認し、気になる点があれば修正を依頼します。納得するデザインが上がってきたら、最終的決定をしましょう。
5.看板の製作
業者が看板を製作します。大掛かりな看板の場合は製作に日数がかかる場合もあります。不安があれば途中で進捗状況を確認しましょう。
6.納品と設置
完成した看板を受け取り、依頼通りになっているか確認しましょう。設置も依頼する場合は、作業時に立ち会い、取り付けに問題がないか確認します。
◇まとめ
看板設置をするには、デザインから製作、設置と様々な段階を踏む必要があります。希望する看板によっては専門的な知識や技術が必要になる場合も多いです。困った時は看板製作のプロに相談してみましょう。