飲食店開業時の効果的なメニュー設計。ポイントを紹介!

2024.07.16|ブログ

飲食店の開業を目指す上で、メニューは店そのものと言って良いほど重要な要素の一つです。あなたがどんなサービスを提供したいのか、どのようにお店を楽しんでほしいのか、開業前にしっかりと考えておきましょう。ターゲットとする顧客にマッチしないメニューだったり、出店地域に合わない料理だったりすると失敗に繋がります。この記事では、メニュー設計のポイントについて解説します。

 

◇ブランドコンセプトの設定とターゲット分析

「こんな料理を味わってほしい」「おしゃれな空間にしたい」など、開業者は店への理想を持っていると思います。ビジネスの成功のためには料理や空間の理想だけでなく、「誰に何を楽しんでもらう店なのか」をしっかりと設定しておく必要があります。ターゲット設定と分析方法についてご紹介します。

 

ブランドコンセプトを反映したターゲット設定

開業に際して、店舗のブランドコンセプトを定める必要があります。高級路線なのか、ファミリー向けなのかによって、同じ料理でも価格やメニュー設計は変わってきます。「顧客にどのような価値を提供する店なのか」を考えることは、メニューと店づくりの土台になります。コンセプトが固まったら、自然とターゲット顧客層も定まってくるでしょう。

 

地域の人口統計データの分析

出店する地域にどれくらいターゲット層が存在するのか、人口統計データを確認しましょう。高齢化が進む地域に若者向けの店を出しても、集客は厳しくなります。地域の中でも、店のコンセプトに合った場所選びをしましょう。

 

ターゲット顧客の嗜好性と行動パターンの把握

開業前に競合店舗の経営状況や口コミなどの情報を収集し、流行や好きな料理の傾向を把握しましょう。店を開いた後も来店データの分析を行い、ピーク時間や曜日、人数、注文内容などのパターンを把握し、メニューに反映させましょう。

 

 

◇価格設定の戦略

提供するメニューが決まったら、価格も設定しなければなりません。安すぎては経営が厳しくなりますし、高すぎると顧客が離れてしまうなど、価格設定は非常に難しいです。競合店舗はいくらで提供しているのかを参考にしながら、慎重に設定しましょう。ここでは価格を決める際の考え方をいくつかを挙げてみます。

 

仕入れ値から計算

料理やドリンクに必要な食材の仕入れ価格を原価として計算します。一般的には原価率は30%程度が良いとされています。原価が300円なら、販売価格は1000円前後が目安になります。

 

人件費も含めて計算する

店員やバイトを雇用する店舗の場合は、食材の原価だけでなく人件費も考慮する必要があります。仕入れや調理にかかる時間を計算し、かかる手間を価格に反映させます。目安としては、食材費と人件費の合計価格の60%程度にすることが推奨されています。

 

ビジネスコンセプトから計算する

店の雰囲気やコンセプトに合わせて価格を設定します。同じコーラでも大衆食堂とバーでは価格が違いますよね。ビジネスコンセプトを反映させつつ、違和感を抱かせないよう注意が必要です。

 

客単価から逆算する

月間の売り上げ目標や客単価を考慮し、メニュー価格を設定します。定期的にメニューを見返し、「想定する客単価に合わせると、原価が高すぎて割に合わない」という物は外すことを考えましょう。

 

 

◇季節ごとのメニューの設定

基本のメニューを設定したら、季節限定のメニューも検討しましょう。旬の料理は需要が高く、マンネリ化を防ぐこともでき、集客に繋がります。ここでは季節ごとのメニュー設定のメリットやポイントを解説します。

 

季節限定メニュー設定のメリット

季節感や食材へのこだわりが伝わる

旬の野菜や果物、魚介類を使えば、季節感を演出できます。新鮮な旬の食材はシンプルに味も良いですし、素材にこだわっている店だということが伝わります。

期間限定という言葉の心理的効果

「今だけ」「数量限定」というワードは購買意欲を高めます。気に入ってもらった場合は「期間中にまた来ないと」「来年も食べたい」と、リピート率を上げる効果にもつながります。

マンネリ化の防止効果

お店を気に入ってくれる常連客は、店舗の継続のために非常に重要な存在です。定番メニューのクオリティも大切ですが、期間限定メニューを取り入れることで、飽きられてしまうことによる客離れを防止できます。

 

季節限定メニューの提供時期

季節を少し先取りして提供しましょう。材料によりますが、一番の旬の時期だけの販売にすると、期間が非常に短くなる場合があります。競合店舗が販売していない時期に売れれば差別化にもなるので、適正な価格で仕入れられるなら、早めに提供開始しましょう。

 

季節限定メニューの告知方法

提供開始の1週間前までに告知しましょう。1週間あれば毎週通う常連客に満遍なく告知できます。季節限定メニューは通常メニューに掲載されていないため、提供を始めたらスタッフから口頭で説明することで、見落としていた客にも告知できます。

 

 

◇メニュー表のレイアウトとデザインのポイント

メニューが全て定まったら、メニュー表を作成しましょう。飲食店のメニュー表を作成する際は、顧客に魅力的に映るデザインと効果的なレイアウトに仕上げる事が重要です。以下に、飲食店のメニュー表作成のポイントをいくつか共有します。

 

お店のコンセプトに合わせる

メニュー表のデザインは、お店の雰囲気やコンセプトに合わせて作成しましょう。バーならシックでおしゃれなデザイン、居酒屋なら明るく元気なデザインが適しています。また、料理の写真やイラストがあると顧客はイメージしやすくなります。お店の雰囲気に合わせつつ、料理の特徴を伝えるデザインで、食欲を刺激しましょう。

 

見やすいレイアウト

メニュー表は読みやすく、視覚的に魅力的であるべきです。おすすめメニューは目立つ位置に配置し、視線の動きに合わせてレイアウトを工夫しましょう。フォントや文字サイズを選ぶ際には、読みやすさを重視しましょう。観光客が多い場所などでは、海外の方にもわかりやすいように工夫することも大切です。

 

料理の説明を加える

「ごろごろお肉の〇〇」「つるつる食感の〇〇麺」など料理の特徴を名前に加えたり、具体的な説明を記載したりすることで、興味を引きます。新鮮さや独自の調理法を強調し、魅力を伝えましょう。

 

 

◇食材の調達と品質管理のポイント

メニューがすべて決まっても、安定して提供することができなければ意味がありません。最後に、効率的な食材の調達と品質管理の方法についてポイントをご紹介します。

 

信頼できる仕入先を選ぶ

食材の品質や供給の安定性は仕入先によって大きく異なります。価格面だけでなく信頼できる仕入先を選び、新鮮で安全な食材を提供できるようにしましょう。仕入先の評判や取引実績を調査し、信頼性を確認することが大切です。

 

食材の検査を徹底する

万が一食中毒などが起きてしまうと、お店の信頼は失墜します。食材が店舗に届いた際には、必ず受け入れ検査を行いましょう。外観、香り、賞味期限などチェックリストを作成して品質を確認する方法があります。

 

適切な保存方法を取る

食材の保存方法は品質に直結します。食材ごとに適した温度管理や湿度管理を行い、鮮度を保ちましょう。古い物が混じってしまわないように冷蔵庫や冷凍庫の定期的な整理や棚卸しも重要です。

 

先入先出法を実施する

在庫管理には「先入先出法」を採用しましょう。スーパーの陳列と同様で、新しい食材を後ろに、古い食材を前に並べて使用することで、食材をダメにしてしまう確率が減少します。

 

従業員への啓発と意識向上

品質管理については従業員にしっかりとトレーニングを行い、衛生的な取り扱いや注意点を理解してもらいましょう。品質管理に対する意識を高めるために、定期的なミーティングや情報共有も大切です。

 

 

◇まとめ

お店の魅力そのものであるメニュー。あなたの理想を叶えつつ、ブランドコンセプトや適切な価格設定を考え、戦略を立てて設定しましょう。魅力的なメニューさえ提供できれば、他の要素で多少の失敗があっても、顧客からは見放されないものです。どうしたらお客様に喜んでもらえるのか、ポイントを参考にしながらぜひ考え抜いてください。

 


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