歯科医院の看板は他の業種と同じく集客において重要な役割を果たします。歯科医院は多くの地域で複数存在するので、他の医院との差別化を図ることが必要になります。そのために、看板を上手く活用することが重要です。この記事では、歯科医院の集客力を高める看板デザインのコツをご紹介します。
▽歯科医院の看板に必要な情報とは？
歯科医院の看板は、患者さんと医院をつなぐ「窓口」です。患者の興味を引き、来院への一歩を後押しするためには、「情報の見やすさ」と「医院の魅力発信」の両方が重要になります。分かりやすくかつ魅力的に必要な情報を伝えることで、潜在的な来院者の関心を集められるでしょう。ここでは、看板に欠かせない情報要素を詳しく解説します。
医院名や診療科目といった基本情報
看板の最も基本的で大切な役割は「何をしている場所なのか」を瞬時に伝えることです。下記の３つの要素を入れると、明確に伝えられます。
・医院名
読みやすいフォントと大きさで表示しましょう。ロゴデザインも医院名と合わせて表示し、親しみやすさや信頼感を演出しましょう。
・診療内容
「一般歯科」「矯正歯科」「小児歯科」「審美歯科」など、対応可能な分野を記載しましょう。複数ある場合は箇条書きやアイコンで整理すると分かり易いです。
・キャッチコピー
「歯を通じて皆様の健康を守ります」「痛みに配慮した治療」など、短いフレーズで医院の理念を伝えるのも効果的です。
連絡先とアクセス情報
問い合わせや来院を促すために、コンタクトを取るために必要な情報を漏れなく記載しましょう。
・電話番号
高齢の方も利用するので、大きな文字で目立つように。番号の頭に「Tel」や電話のアイコンを添えると分かりやすくなります。
・住所
「〇〇区〇〇町1-1-1」に加え、「〇〇駅から徒歩5分」「△△ビル隣」など、具体的なランドマークやマップを入れると親切です。
・ウェブサイトのQRコード
近年はウェブサイトで医院の詳細情報や予約フォームへのアクセス手段を提供することが多いです。スマホユーザーはその場ですぐに利用できるのでおすすめです。
差別化ポイントのアピール
他の医院との違いと専門分野などの強みを明確にすることで、ターゲット層に刺さる看板に仕上げます。
・強みの強調
「痛みの少ない治療」「精密なインプラント」といった医院の治療の得意分野や、「駐車場○台完備」「完全予約制。待ち時間なし」など患者の利便性の高さをアピールしましょう。
・資格や実績
「矯正歯科専門医在籍」「〇年連続口コミ1位」などの資格や実績の情報を表記すると医院の信頼性を高めることができます。
・キャンペーン情報
「初診割引中」「ホワイトニング無料相談」など、期間や対象者を限定した特典を掲示するのも関心を引くために有効です。
▽視認性を高めるためのデザインテクニック
歯科医院の看板は、まず見てもらうことが何よりも重要です。しかし、単に目立てば良いというものではありません。視認性を高めつつも、医院の魅力を表現し、地域に根ざした存在感をアピールする必要があります。ここでは、看板の視認性を高めるデザインのポイントを解説します。
歯科医院の魅力と視認性を両立するデザインの基本
・色選びの重要性
歯科医院に適した清潔感と信頼感を表現する色彩としては「青・白・緑」が定番です。赤や黄色は緊急性を連想させるため、コンセプトカラーとして取り入れる際は、キャンペーン情報の部分のみで採用するなど控えめに使用するようにしましょう。
・シンボルマークの活用
歯や歯ブラシ、笑顔のイラストなど、遠くからでも分かる医療や歯科を連想させるアイコンを配置しましょう。
・フォントの選定
フォントもシンボルマークと同じく、なるべくシンプルなデザインにすると遠くからでも認識しやすいです。基本的には読みやすいゴシック体や丸文字が適していて、手書き風フォントは歯科医院の場合は不安感を与える可能性があります。
視認性を最大化する「配置とサイズ」の工夫
・歩行者と車両の双方に対応
設置する際は医院の場所やターゲット層に合わせ、歩行者目線（1.5～2mの高さ）と車の運転手目線（3～5mの高さ）の両方を考慮しましょう。看板を複数設置する場合は、高低差をつけて情報を分けるのも一つの手です。
・適切なサイズの目安
視認しやすい文字の大きさは、距離の1/50が目安（例：10m先から読む場合、文字の大きさは20cm以上）です。最低限の情報を大きめに表示するようにしましょう。
メンテナンス性と耐久性を考慮した看板の素材選び
・屋外環境に強い素材
歯科医院の看板が汚れたり破損したりしていると、治療の技術や衛生管理に不安を与えてしまいます。屋外に設置する看板は、アルミ複合板やアクリル板など、紫外線や雨に強く、汚れが目立ちにくい素材を選びましょう。木材は温かみが出ますが、定期的な更新が必要です。
・定期的なチェックポイント
上述したように汚れや文字のはがれは信頼性を損なうため、半年に1回の点検を推奨します。設置の際にチェックリストを作成しておくと良いでしょう。
▽地域密着型の歯科医院看板の作り方
歯科医院は一つの地域に根付き、長く診療を続けるのが一般的です。そのため、地域住民の信頼を獲得し、継続的な来院を促す戦略が重要です。地域に根ざした看板デザインは、親しみやすさと信頼感を与えるだけでなく、地域の特性やニーズに応じた効果的なメッセージを伝える。以下では、地域密着型の歯科医院看板を作成するためのコツについて紹介します。
地域特性を把握する
看板の制作を始める前に、地域特性を把握しておきましょう。人口動態や文化、歴史を理解することは、地域密着型の看板を作成するのに大いに役立ちます。以下のポイントを考慮しましょう。
・人口構成
高齢者が多い地域では、視認性の高い表記や「訪問歯科」などのサービスのアピール、若年層が多い地域ではモダンでカラフルなデザインや「ホワイトニング」「歯列矯正」などの情報を採用します。
・文化や風習
地域の文化や風習をデザインの一部に取り入れることで、地域住民に親しみを感じてもらえます。
・交通状況
地域の交通状況を把握し、医院の立地によって適した交通手段、アクセス方法を記載しましょう。主要道路や公共交通機関の近くに看板を設置することで、多くの人に見てもらうことができます。
住民が親しみやすいデザインとメッセージ
ファミリー層がターゲットとなる地域では、特に親しみやすいデザインとメッセージが欠かせない要素になります。
・温かみのある色使い
明るく温かみのある色を使用することで、歯科に対する「怖い」という印象を払拭し、親しみやすさを演出します。
・フレンドリーなフォント
丸みを帯びたフレンドリーなフォントを使用し、子供でも安心できる親しみやすい雰囲気を醸し出します。
・地域特有のメッセージ
地域の方言や特有の表現を取り入れることで、地元住民に親近感を与えることができます。
▽診療時間や予約方法を伝える工夫
歯科医院の看板では、診療時間や予約方法を伝える必要があります。分かり易く情報を発信するためには、いくつかの工夫があります。以下にポイントを挙げます。
・一覧性を意識
看板は、診療時間や予約方法が一目でわかるようにすることが重要です。小さく分散するのではなく、必要な情報は一か所にまとめましょう。
・重要な情報を前面に押し出す
診療時間や予約方法は看板の中央付近や上部に配置し、医院の名称やサービス内容に次いで目立つようにします。
・視覚的なアクセント
アイコンやイラストを上手く使って、診療時間や予約方法を視覚的に強調しましょう。例えば、時計や電話のアイコンを使うと、診療時間や予約方法を示しているのだとすぐに理解できます。
・QRコードの活用
ホームページがある場合は、看板にQRコードを貼り付け、スマートフォンで簡単に診療時間や予約方法を確認できるようにすると便利です。合わせてオンライン予約にも対応できれば効果は高まります。
▽まとめ
同じ歯科医院の看板でも、得意とする診療内容やターゲット層、医院の位置する地域特性によって最適なデザインは大きく変わります。「設置すれば何でも良い」と考えず、他の医院との違いを発信したり、患者の利便性を向上させたりする手段になるように意識しましょう。地域に愛される歯科医院となるための参考になれば幸いです
